高齢者における地域救急医療の
『ゲートキーパー』という考え
高齢者では、
「食べられない」
「動けない」など
特定原因によらない状態の
変化がたくさんあります。
原因が特定できないとき、患者様を俯瞰して診る必要があります。
患者様の全体像から判断し、必要な場合には高度医療機関に搬送します。一方で高齢者では入院のストレスによって体調が悪化する場合もあります。入院だけでなく、在宅でも治療する方がいいときもあります。
広瀬病院は、救急に対して高度医療、入院医療、在宅医療、外来医療すべての選択肢から考えます。
患者様のご希望、ご家族の気持ち、年齢、体力など全身状態から治療の選択肢を検討し、安易な救急搬送はせず、個々の方々に適切な判断を行います。
これが在宅療養支援病院ができる地域救急の『ゲートキーパー』としての務めです。
施設入居者への救急
施設入居者の疾患重症度が
年々上昇しており、
入居後短期間で救急搬送されるケースが増えています。
在宅医療で培った経験を活かし、体調変化初期に施設で必要な処置を行うことによって、その後の状態悪化を防ぐことができます。
予測される徴候への対策を準備し、いつでも緊急連絡がとれる環境を整えています。また、状態が変化した際は、当院に搬送し、初期医療を当院で行います。
本当の重症例は全体の20%程度で、残りの80%の症例は、患者様やご家族で落ち着いて対応可能です。対策を準備すれば入院も回避できます。また重症例も事前にACP(Advanced Care Planning)を話し合っていれば本人が望む治療や療養に繋がります。
入所時にACP(Advanced Care Planning)が十分に話し合われていないため、早期の入院に繋がっている可能性があります。
重症例に対する
かかりつけ医のサポート
広瀬病院では、地域医療を支援するため、Advanced Care Planning(ACP)を通じて、患者様のご意向が確認できる方や、将来訪問診療をご希望される患者様に対し、外来診療時から夜間帯、休日を含めた救急医療サポートを行っています。
重症疾患の方や極めてご高齢の方、社会的サポートが少ない方を対象に緊急連絡先を示し、電話相談や必要な場合の緊急入院、自宅への往診対応を行います。
早期に対応することで重症化を防ぎます。